会計freee(フリー)で預金口座間の資金移動をしたとき、2重登録に注意する必要があります。
会計freeeヘルプセンターでは、出金した口座か入金した口座のどちらか片方の明細を登録し、もう片方の明細は無視する方法が紹介されています。
実は明細を無視せずに登録する方法があるのをご存知でしょうか?
今回は、freee認定アドバイザーである長野市の丸山大介公認会計士・税理士事務所がfreeeの預金口座間の資金移動をしたとき、明細の無視をせずに登録する方法について解説します。
なお、この方法は丸山が「マジカチ」に参加したとき、広島県福山市のクラウド会計専門税理士である坂本明菜さんに教えていただきました。ありがとうございます。
坂本明菜税理士事務所
https://akina-office.jp/
マジカチは、「freeeの活用」を通じて「クライアントに提供する価値」を高めるきっかけをつかむ会計人のコミュニティです。
弊事務所もクライアントに提供する価値を高めるというところに共感して参加しています。
なぜ預金口座間の資金移動で2重登録がおこるのか?
まずはじめに、預金口座間の資金移動で2重登録がおきるわけについておさらいしておきます。
例えば、A銀行からB銀行へ300万円の資金を移動したとします。
すると、A銀行の300万円の出金明細と、B銀行の300万円の入金明細がfreeeに取り込まれます。
この明細をどちらも登録してしまうと、2重で取引が登録されてしまい口座の残高とfreeeの残高が合わなくなってしまうという問題が起こります。
具体例を見てみましょう。
→A銀行の明細をfreeeに登録した
A銀行口座の減少 300万円
B銀行口座の増加 300万円
(仕訳)
借)B銀行 300万円 / 貸)A銀行 300万円
→B銀行の明細をfreeeに登録した
A銀行口座の減少 300万円
B銀行口座の増加 300万円
(仕訳)
借)B銀行 300万円 / 貸)A銀行 300万円
両方の銀行の明細を登録した結果、上記のA銀行とB銀行の取引が合計されてしまいます。
A銀行口座の減少 600万円
B銀行口座の増加 600万円
(仕訳)
借)B銀行 600万円 / 貸)A銀行 600万円
本来あるべき取引は、下記となるべきです。
A銀行口座の減少 300万円
B銀行口座の増加 300万円
(仕訳)
借)B銀行 300万円 / 貸)A銀行 300万円
したがって、正しく登録するにはA銀行またはB銀行のどちらかの明細を登録し、もう片方は無視する必要があるのです。
預金口座間の資金移動について明細の無視を使わずに登録する方法
freeeに資金移動用口座をひとつ作ることで、明細の無視を行わずに登録が可能になります。
個人的には、freeeのメイン画面で銀行口座の内訳として表示さるために、口座の登録からその他の銀行を選んで手動登録の口座として作成するのがいいのではないかと思います。
口座の名前は後で自由に変更可能です。
口座の作成については、下記のヘルプを参照ください。
「freeeヘルプセンター銀行やクレジットカードを登録する(口座を登録)」へリンク
それでは、「資金移動」という資金移動用口座を作成したとして具体例を見てみましょう。
A銀行からB銀行へ300万円移動したとします。
→A銀行明細の登録
振替元口座 A銀行→振替先口座 資金移動
A銀行口座の減少 300万円
資金移動口座の増加 300万円
(仕訳)
借)資金移動 300万円 / 貸)A銀行 300万円
→銀行明細の登録
振替元口座 資金移動 →振替先口座 B銀行
B銀行口座の増加 300万円
資金移動口座の減少 300万円
(仕訳)
借)B銀行 300万円 / 貸)資金移動 300万円
両方の銀行口座の明細を登録した結果は、下記のとおりとなります。
A銀行口座の減少 300万円
B銀行口座の増加 300万円
資金移動口座の減少 300万円
資金移動口座の増加 300万円
(仕訳)
借)資金移動 300万円 / 貸)A銀行 300万円
借)B銀行 300万円 / 貸)資金移動 300万円
資金移動口座は減少と増加で相殺されますので、相殺された結果は下記のとおりとなります。
A銀行口座の減少 300万円
B銀行口座の増加 300万円
(仕訳)
借)B銀行 300万円 / 貸)A銀行 300万円
これで綺麗に納まったのではないかと思います。
口座の明細の片方を無視するというやり方、両方の口座の明細を登録するやり方、結局どちらも結果は一緒ですので、ご自身のやりやすい方法で運用されるのがいいと思います。