相続税の申告が必要かどうか判断する方法-申告要否判定コーナーの入力方法-

こんにちは。

長野市の丸山 大介 公認会計士・税理士事務所です。

相続税の申告が必要かどうかは、以下のステップで判断します。

1.法定相続人を確定させる
2.相続財産を把握する
3.相続税の申告要否を判断する

本記事では、「3.相続税の申告要否の判断」について解説します。

法定相続人を確定させる方法と、相続財産を把握する方法については、以下の記事を参照ください。
法定相続人を確定させる方法
相続税の申告に必要な財産の把握方法(土地・家屋・預金)

相続税の申告が必要な場合、当事務所にて相続税申告業務を承っております。

標準報酬は、基本料金200,000円+相続財産額×0.3%となります。
(相続の状況により別途料金が発生する場合もございます。)

初回相談は無料です。

お困りのことがありましたら、下記のお問い合わせボタンをクリックのうえ、お問い合わせください。

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相続税の申告が必要かどうか判断する方法

法定相続人と相続財産を把握したら、以下の方法で相続税の申告要否の判断をすることができます。

  • 国税庁ホームページの「相続税の申告要否判定コーナー」のシステムを使って判断する
  • 国税庁の公表している「相続税の申告要否検討表」を使って判断する(紙出力で行いたい場合)
参考リンク
・国税庁ホームページ「相続税の申告要否判定コーナー」
https://www.keisan.nta.go.jp/sozoku/yohihantei/top#bsctrl
・国税庁ホームページ「相続税の申告要否検討表」
http://www.nta.go.jp/about/organization/sapporo/topics/souzokuzei/index.htm
⇒相続税の申告要否検討表(平成27年分以降用)(PDF/115KB)をダウンロードしてお使いください。

相続税の申告要否判定コーナーの使い方

国税庁の申告要否判定コーナーへのアクセス方法

1.国税庁の相続税にかかわるページへアクセスします。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/sozoku/sozoku.htm
2.相続税の要否判定コーナーをクリックします。

なお、こちらからダイレクトにアクセスもできます。
国税庁HP「相続税の要否判定コーナー」
https://www.keisan.nta.go.jp/sozoku/yohihantei/top#bsctrl

法定相続人の数の入力方法

国税庁の相続税の申告要否判定コーナーへアクセスしたら、「スタート」をクリックします。

次のページの下部にある「確認終了(次へ)」をクリックすると法定相続人の入力画面に移行します。


1.配偶者の有無の入力
故人に配偶者がいる場合は「はい」を選択、配偶者がいない場合は「いいえ」を選択します。なお、配偶者がいるがすでに亡くなっている場合は「いいえ」を選択します。

2.故人の子供の有無と人数の入力
故人に子供がいる場合、「はい」を選択して人数を入力します。

子供がいるに「はい」を選択した場合、以降の「(2) 被相続人に父母(養父母を含みます。)はいますか。」と「(3) 被相続人に兄弟姉妹はいますか。」は入力できなくなります。

3.控除額の計算
入力したら「控除額の計算」をクリックします。

控除額が自動で計算されますので、確認したら「入力終了(次へ)」をクリックします。

土地等の相続財産の入力方法

事前に用意しておきたいもの

土地等の入力にあたっては、以下の資料を用意しておきましょう。

  • 固定資産税課税明細書や固定資産税評価証明書
  • 土地の登記簿(全部事項証明書)
  • 土地の公図(地図)

土地等の入力にあたって知っておきたいこと

  • 土地の評価方法について-路線価方式と倍率方式-

土地等の入力にあたっては、相続する土地の評価方式を判断しておく必要があります。

土地の評価方式は、以下の2パターンがあります。

・路線価方式
・倍率方式

相続する土地に路線価がある場合は、「路線価方式」によって入力をします。

相続する土地に路線価がない場合は、「倍率方式」によって入力をします。

路線価の有無については、国税庁の財産評価基準書のホームページにて確認できます。

『参考リンク』
国税庁-財産評価基準書 路線価図・評価倍率表
http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm

  • 路線価地域か倍率地域かの確認方法

上記の国税庁-財産評価基準書 路線価図・評価倍率表のサイトへアクセスします。

1.故人の亡くなった年度を選択します。

なお、毎年7月に最新の路線価図等が発表されます。

故人が1月~6月の間に亡くなった場合には、その年の路線価図等が公表されていない場合があります。

その場合は、暫定的に亡くなった前年度を選択します。

相続税申告においては、亡くなった年度の路線価図等を用いますので、故人が1月~6月に亡くなっている場合は7月以降、公表された路線価図等を用いる点にご留意ください

相続税の申告は、亡くなった時から10か月以内に行う必要があります。

申告期限が迫った状態で税理士に相続税の申告依頼を行うと、割増料金を支払う可能性もあります。

したがって、相続税の申告が必要か否かは暫定的であっても早めに調べておくことをおすすめします。

2.相続する土地の所在地となる県をクリックします。

 

路線価図をクリックします。

対象地のある市町村名をクリックします。

1.索引図を参照する。
索引図を参照すると、広域の索引地図が出てきますので、相続する土地の路線価図ページを調べます。

2.該当する路線価図ページ番号をクリックします。

なお、固定資産税課税明細書に記載されている所在地は「地番」と呼ばれ、普段使っている「住所」とは異なるものです。

「地番」から土地の所在地を把握する方法は、以下の記事を参照ください。
地番から土地などの場所を探す方法

路線価図を開くと、←40E→といったような記載がある道路があるかと思います。

「40」の部分が路線価になります。

「E」の部分が、借地件割合を参照する時の記号です。

矢印の引かれている範囲が、その路線価の適用となる範囲です。

上図の丹波島橋の手前は、「48E」という記載がありますが、丸い記号で路線価が囲われています。

これは地区記号というもので、該当の土地が普通住宅地区や繁華街地区など、どの地区に該当するかを示す記号になります。

(各記号については、土地の評価入力画面に説明が出てきますので、ここではふ~ん位に思っていただいて結構です。)

上図のように、道路上に路線価が定められている地域が路線価方式によって入力を行う土地となります。

道路上に路線価の記載がない地域は、倍率地域となり倍率方式によって入力を行う土地となります。

路線価方式の土地の入力方法


相続財産等の入力画面で、土地等の「入力する」ボタンをクリックします。
土地等の入力画面に切り替わったら、区分欄の「路線価」をクリックします。

対象地が道路にどのように接しているか、該当するものを選んでクリックします。

なお、今回の解説では「2つの道路(正面と側面)に接している道路等」を選択しています。

1.土地の利用区分を選択します。
各利用区分の説明は、「土地の利用区分」をクリックすると詳細を確認できます。

2.「角地」か「準角地」を選択します。
角地の種類についてもページ内の(注1)に説明があります。

3.[路線価①]に路線価を入力します。
路線価図を参照して、路線価を入力します。

ここでは、路線価が高い方を入力します。

路線価図の金額は千円単位です。

4.[地区記号]欄にて、地区区分を選択します。
路線価図の路線価部分を参照して、該当の地区を選択します。

地区記号については、ページ内の(注3)に説明があります。

5.[路線価②]へ路線価を入力します。
こちらは金額が低い方の路線価を入力します。

6.所在地を入力します。

7.土地の面積を入力します。
固定資産税課税明細書の「現況」部分の面積を使います。

8.全て入力したら、「計算」をクリックします。
全て入力して計算をクリックすると、評価額が自動で計算されます。

9.計算結果を確認したら、「入力終了(次へ)」をクリックします。

ちょっと一言 路線価が難しいと感じる方へ

路線価方式の入力が難しいと感じる方もいると思います。

相続対象地が「宅地」である場合、路線価方式ではなく、倍率方式で入力を行うことで簡便的に計算することもできます。

その場合、倍数は「1.1」を用います。

倍率方式の入力方法は下記を参照ください。

倍率方式の土地の入力方法


土地等の入力画面で、区分欄の「倍率」をクリックします。

1.土地の利用区分を選択します。
利用区分については、路線価方式での入力画面にて詳細説明へのリンクボタンがありますので、ご参照ください。

2.固定資産税評価額を入力します。
課税標準額を入力するわけではありませんのでご注意ください。
3.土地の所在地を入力します。

4.面積を入力します。
固定資産税課税明細書の「現況」部分の面積を使います。

5.倍数を入力します。
倍数は、国税庁の財産評価基準書の倍数を使います。
『参考リンク』
国税庁-財産評価基準書 路線価図・評価倍率表
http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm

  • 倍数の調べ方

上記の国税庁-財産評価基準書サイトへアクセスします。

土地の所在地の県をクリックすると上図のようなページに推移します。

評価倍率表の一般の土地用をクリックします。


対象地の市区町村をクリックすると、倍率表が表示されます。

上図は、長野市のものを一部加工したものです。

まず、対象地の地目を固定資産税課税明細書で確認します。

地目は現況を使います。

1.で囲った部分に地目が記載されています。

2.で囲った部分に地目に対する倍率が記載されています。

例えば、課税明細書の現況地目が「宅地」で、所在地が「青木島町大塚」で「国道18号線より西側の地域」に該当する場合、倍数として「1.1」を入力します。

現況地目が「畑」であれば、「22」を倍数として入力します。

以上が倍数の調べ方になります。

 

倍率方式の入力方法の解説に戻ります。

6.持分割合を選択します。
共有の土地でなければ、「いいえ」を選択し、共有の土地であれば「はい」を選択します。持分割合は、登記簿(全部事項証明書)の甲区に記載があります。

「持分割合」の文字をクリックすると登記簿のどこを見ればいいのか詳細説明を確認できます。

7.全て入力したら計算をクリックします。
評価額が自動で計算されます。

8.計算結果を確認したら、「入力終了(次へ)」をクリックします。

建物の相続財産入力方法

相続財産入力画面の、建物の「入力」ボタンをクリックします。

1.利用区分を選択します。
「自用家屋」か「貸家」か選択します。

2.固定資産税評価額を入力します。
固定資産税課税明細表を参照して、固定資産税評価額を入力します。

課税標準額を入力しないように注意します。

3.所在地を入力します。

4.計算を押すと、自動で評価額が計算されます。

5.入力が終わったら、「入力終了(次へ)」をクリックします。

現金・預貯金の相続財産入力方法


相続財産等の入力画面の、現金・預貯金の「入力」ボタンをクリックします。

すると上図のような画面が表示されます。

1.故人が亡くなった時点での現金残高を入力します。

2.金融機関名、支店名、預金種別などを入力します。

3.故人が亡くなった時点での残高を入力します。

4.入力が終わったら「入力終了(次へ)」をクリックします。

名義預金に注意!

預金の名義にかかわらず、故人の財産で家族名義となっている預金も相続財産になりますので注意しましょう。

名義預金は、相続財産として預貯金欄に記入します。

生命保険金等の相続財産入力方法


相続財産等の入力画面の、生命保険金等・死亡退職金等の「入力」ボタンをクリックします。

すると上図のような画面が表示されます。

この欄には、故人が亡くなったことによって相続人に支払われた生命保険金等を入力します。

なお、相続人以外の人が受け取った生命保険金等がある場合、非課税となる部分がありませんので、受け取った金額を「その他の財産」に入力する必要があります。

1.生命保険会社名を入力します。

2.受け取った保険金額を入力します。

3.入力が終わったら「計算」をクリックします。

4.全ての入力が終わったら、「入力終了(次へ)」をクリックします。

生命保険契約に関する権利に注意!

故人が保険料を負担し、故人以外が契約者となっている生命保険で、故人の死亡時点でまだ保険金の支払い事由が生じていないもの(生命保険契約に関する権利)がありませんか?

もしある場合には、相続財産になりますので、故人が亡くなった時点の解約返戻金の額を「その他の財産」の入力画面で入力します。

「解約返戻金の額」については、生命保険会社に依頼すると証明書を発行してもらえます。

その他の財産の入力方法

1.その他の財産の名称を入力します。
今回は、生命保険契約の権利がある場合を想定しています。

2.保険契約の数量を入力します。
例えば、契約が2つなら「2」を入力します。

保険会社ごとや、保険契約ごとに入力しても大丈夫です。

3.解約返戻金(権利評価額)を入力します。

4.すべて入力したら、「入力終了(次へ)」をクリックします。

債務および葬式費用・相続開始前3年以内の贈与財産の入力

以下のようなものがあれば、相続財産の入力画面より入力します。

  • 債務・葬儀費用

故人の借入金や、未納となっている税金などの債務、葬式費用について入力します。

  • 相続開始前3年以内の贈与

故人が亡くなる前3年以内に、相続財産の各項目に入力した財産以外に財産の贈与を受けた人がいる場合や、相続時精算課税を適用した財産がある場合に入力します。

相続税がかかるかどうかの判定


相続財産の入力が終わったら、「入力終了(次へ)」をクリックします。

相続税の申告要否の結果が出ます。

相続税の申告が必要な場合

入力内容の確認・印刷画面にて、住所・氏名等の入力および入力内容の印刷ができます。

相続税の申告が必要な場合、印刷して当事務所へお問い合わせいただければ相続税の申告相談を承ります

住所・氏名等の入力では、以下の部分だけ入力いただければ結構です。

  • 1 亡くなられた人の住所、氏名、生年月日、亡くなられた日
  • 2 亡くなられた人の職業及びお勤め先等の名称(「亡くなる直前」と「それ以前(生前の主な職業等)」)
  • 3 相続人の氏名、亡くなられた人との続柄

当事務所の相続税申告の標準報酬は、基本報酬200,000円+相続税評価額×0.3%です。

土地については、各種特例を適用したり、特殊要因を考慮すると評価額が下がるケースが多いです。

評価額が下がるということは、相続税額が下がるということです。

当事務所へご相談いただければ、各種特例や特殊要因を考慮した土地の評価が行えるか判断します。

初回相談は無料ですので、ぜひお問い合わせください。

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